本記事では昨今叫ばれる”日本は格差社会”についてその是非を体験談に基づき真偽を問うていきます。
きっかけ
今回社会的な話題へのオピニオン系の記事を書くにあたって、下記の影響を受けた。(ちなみにオピニオン系の記事は初投稿)
ぼくが好きなブロガー、フリーフライファーさんの記事だ。読者登録もしている。
フリーライファーさん
フリーライファーさんは、順風満帆な人生から一転、脱サラ、株式投資など失敗、バイト生活・底辺生活、そこからアフィリエイターで成功、といった波乱万丈を経ての成功者だ。今ではタイを拠点に生活されている、アフィリエイター兼ブロガーだ。
理路整然と書いている内容から、とても頭の良い方だなぁと常々感心させられるし個人的にはビジネスに対するスタンスも尊敬できる。
さて、上記の記事では、日本の貧困を、海外のそれと交えながらいろいろと解説していた。そんな記事に触発され、ぼくも日本で、時に話題にされる、『格差社会』について書いてみたくなった。
以前あった、友人Aとの会話を起点に書いてみることにする。
上記記事では、『格差』以外にも、『貧困から抜け出す方法』や、『幸福論』にわたるまで、いろいろ書かれているが、ぼくはここでは、少々『格差社会』にフォーカスする形で書いてみたい。また、上記記事と内容的に被る部分もある(引越しバイトでも40万は稼げる、のくだり)。
本当に日本は格差社会か
『日本ってなんでこんなに格差社会なんやろなぁ。。』
あるとき友人Aが、小見出しの通り、そんな発言をした。(友人A=旅人でない)
ぼくはすかさずこう回答した。
『こんな恵まれた国ないよ。
例えば、コンビニバイトでも15万ほどは稼げると思う。
( 900円/H × 8H/DAY × 20DAY = 144000円)
例えばバイト暮らしでも、その気になれば1万円貯めることができる。
例えば、1万円貯めたら、5ヶ月後には5万円になる。
5万円あれば、この国では40型薄型液晶が買えるよね?
では、10ヶ月貯めたら、10万円。海外旅行にだって行けてしまう。
そんな国が他にあるかな?
東南アジア諸国を見渡せば、月収平均が2万〜4万という国はザラだよ。
月に1万円貯めるという行為ができない国もあるのだ。
しかも、そういった国では、TVは日本みたく5万円では売られていないよ。
(もっと高い)
日本人は恵まれているよ。最低賃金で働いても、先進的な暮らしができるのだから。それに平均所得が数万円、とこんな感じなのだから、進展国の格差なんて、日本の比にならないよ。』
友人Aは唸った。うーん、なるほど。。
POINT:一万円を貯められない国の方が圧倒的に多い。
格差社会議論の本質
先に述べておくと、実はこの回答は日本は格差社会ではない、を論じていない。(証明になっていない)
底辺でもこんな暮らしができるよ、と、底辺の裕福さを進展国のそれと比較し、物語っているだけだ。(コンビニバイトで生計を立てている方、底辺、という表現を用いて申し訳ありません)
図解
ただ、所得の格差、というのを問題視して議論が起こるときその裏にあるのは、所得の低い人(の生活が不便だ、不幸だ、といったこと)へ対して意識がフォーカスされていることが多い。(実際TVの視聴者などはそのことに気づいていない。議論の本質はそこにある。)
上述のぼくの回答論理は直接的に、格差ってないよ、と言っているわけでなく間接的に、日本では格差があっても、下層でも不便な生活ではない、と論じているわけだ。
さて、少し発言に補足をしていく
海外事情ってどうなってるの?
進展国の物価(特に嗜好品)
ぼくは海外を旅し、ふらっとショッピングモールや、大型スーパーなどの家電コーナーをみに行くことがある。(家電が好き)大型TVとかどのようなものが売られているのかな、いくらくらいで売られているのかな、と気になって調査するのだ。すると決まって日本より高いのだ。
この薄型TVの日本国内価格変遷について、少し記憶をたどってみよう。
大型テレビの日本の価格変遷
日本では、2000年代初期に薄型TVの出だしの頃は、30万〜50万で売られていたのを記憶している。40型を100万円で買った、という芸能人の発言も聞いたような。その頃は、絶対買わないな〜、などと感覚的に思ったものだ。
その後価格はどんどん下がっている。
2006年に、友人が32型のTVを20万ほどで買ったのを記憶している。(値切り巡業に同行させられた)まだまだ高い買い物だな、と思っていた。
2010年前後か、40型でもついに10万円を切り出した。(その頃に40型を購入した。ECOポイントが貰えてお得だった)
2016年現在では、ご存知の通り5万円ほどのものもある。
価格.com - 画面サイズ:40〜42インチの薄型テレビ 価格の安い順
TV 40型 で検索した。
実は日本での家電製品は、品質やパフォーマンスの割に、圧倒的に安いのだ。
それもそのはず、この国では大手家電メーカーと表現される上場企業が何社も存在し(※1)、互いにしのぎを削っているのだ。
(※1)韓国比
時に韓国はSUMSUNGとLG2社しかない、その方が効率がよいと主張される、わけだが、その2社という数から比べれば多いことがわかる。ちなみに、自国に、世界に名だたる家電メーカーが無い国、の方が圧倒的に多い。
また、それに加え、1.3億人という内需のマーケット規模。実はこの1億という人口は世界的に見て稀である。また、1億以上の人口が同時に購買層となりうる国は本当に数が少ない。例えばインドネシアという国は人口が2億人以上であるが、テレビに5万円ぽーんと出せる人口というのは日本と比べてしまえばどれだけ減ることか。
ビジネスメモ_φ(・_・ )
海外でビジネスになるのか、もしくは、その国で何が起こっているのか理解するときには、こんな数字を意識しよう
- 人口(大前提)
- GDP(大前提)
- 一人当たりGDP
- 所得分布
(3、4は重要。売れる売れないは結局コレ)
結局その国で購買層が何人いるの?市場規模はどれくらいなの?を意識することが重要です。
日本の家電は何故安い?
量産が進めば進むほどものの値段は下がる。(設備償却、製造現場の分業の効率化、現場改善)
同時に商流は大口であればあるほど卸しのコストダウンも効く。たくさん買ってくれる人が入れば売り手側も薄利で良いかとなるのは商流のごく自然な流れ。
簡単に言えば量産メリット・量販メリットでダブルの効果でものの価格は自然と下がる。日本の家電価格にはこういった構図が働いているわけだ。
もう少し正確に表現するばらば、高品質な製品のわりに、価格帯に幅があり選択肢が広い、と表現するべきか。(安い安いと論じてしまったが、もちろん同時に、とっても高いものもあるわけで。)
自動車価格はどうか
もうひとつ例を。自動車。
先から上げている東南アジアでは自動車の価格も日本より高い。例えば、日本では100万を切るような、古めの中古車でも200万円で売られていたりする。もしくは日本で、200〜300万の新車も、300万〜500万という価格。もしくは、国の制度によってそれらが、700万〜1000万、で売られるというような国もある。(シンガポールや香港など。進展国ではないけど。)
東京TV未来世紀ジバングより。民主化されたミャンマーがテーマの回。自動車買うのに1000万円。
家電、自動車、この2点を例に挙げ、日本の物価は安い、と言っているわけではないが、このような嗜好品が、所得の多い少ないに関係なく手に入るのは日本ならではなのだ。
日本と進展国の底辺比較
所得が低い人でも選択肢がある日本
また、日本であってもライフコストを下げる手立ては実際あるだろう。
フリーライファーさんもブログ内の他の記事でも述べているが、東京意外であれば実際家賃2万円ほどで住める、と述べている。(もちろん場所や物件はあまり選べないと思う)
「月1.5〜2.5万円の家なんてどうせ風呂無しだろ?」
なんて思われそうだが、この額は風呂有の条件でも可能だ。
しかも、東京、東京寄り神奈川、埼玉以外なら、月2万円で風呂有りアパートを見つける事はそこまで困難な事では無い。大阪にもあるし、現に自分が住んでいるところも2万円程度だ。
タイと日本で可能な月10万円の生活を紹介していこう - 踊るバイエイターの敗者復活戦
住居意外にも、地域の最安値のスーパーでの購入・外食しないなどをすれば、食費も下げられるのではないかと思う。(大阪の玉出とか。玉出とか。)
カンボジアの底辺
過去、カンボジア、シェムリアップを旅した。
アンコールワットすぐ近くのタプロム
シェムリアップといえばアンコールワット。そんな中ぼくは現地で知り合った日本人と3人で数日間観光をしていた。メンツはぼく+男子+女子、みな一人旅でアラサーだった。(男子は転職の合間にフラッと東南アジア旅行、女子は世界一周中)
ある日、ぼくらはトンレサップ湖という湖ツアーに参加していた。
泥色の川から出発し、しばし蛇行しながら湖にたどり着き、湖の水上レストラン(レストランといっても汚い)でゆっくりする、という行程。
この出発地、船を動かしてくれたのは小学生高学年?と思しき2人の少年だった。実際には13歳、14歳くらいだったが、見た目には小学5年生ほどであった。
ボボボボとエンジンの音を鳴らしながら船は進んでいく。
泥色の水の中、船から見える河の両岸の光景は現地人の家。進むにつれてその家の様相が貧困度合いを増していった。
水難を避けるべく、高く高く伸びる細い木の柱。床下にのびる木の柱は4〜5mほどであっただろうか。柱が高い地区では家の様相は貧困度合いを増していた。
そしてその柱の上に建てられたボロボロの家。
壁はなく、中は丸見えの家も多数。
外壁や塗装などという概念はなく、ただ泥色の家の形をした建屋が並ぶ。
暑さの中脱力感につつまれた現地人たち。子供達は活力もなく昼寝をしている。
そんな家が大量にある地区を通り抜けぼくらは思わず唖然としてしまった。
うわ〜、けっこう凄い光景だなぁ〜、、、
意図してその光景を見に行ったわけではないが、ぼくが海外で目にした貧困度合いで相当なランキングな光景であった。
そんな中、ぼくは世界一周中の女子に少しいじわるな投げかけをしてみる。
『あなたはここで暮らせますか〜』
女子『いや、マジ無理だわ・・・』
世界一周系の旅人にも色々なタイプがいて、
- 旅中毒で旅を楽しむポジティブ派、
- 日本はアカンと憂いを伴う脱日本社会ネガティブ系、
- 特に何も考えていない派
と色々な人がいる。
ぼくはしばしば日本はもう終わっている系のネガティブ派と会話をすると、いやいやそんな悪いもんでもないでしょ、と思うのだ。
そんな彼女に投げかけた『(日本はアカンと言えども)あなたはここで暮らせますか〜、(海外で暮らしたら本当に全て解決ですか〜、本当に自由ですか〜)』 という質問は、かなり極端な例ではあったが、日本人にはYESと言い難い質問であった。
海外の進展国の貧困、リアル貧困。
まとめ
若干冒頭のAくんとの会話から少し脱線した。
海外を少しのぞいてみれば、日本の物価や暮らしやすさなどが世界的にどの様な位置づけなのかがわかる。格差や貧困、労働条件、いろいろな視点をもって見てみるのも勉強になる。
海外で働いてみて驚いたこと、などもいつか記事化してみようと思う。
こちらの記事は、世論に逆説的にデータを示している。
(ちょっとこむづかしい)
日本 格差社会
とたたけば、さまざまなポジティブ、ネガティブ、いろんな主張があがる。もちろん上記意外にも、格差を強調する記事も出てくる。
ぼくは自分の目で色々みて、事実を確かめていきたい。